2013年 01月 11日
ぼくの芝居放浪記 文楽大阪を去る④ |
ぼくは、文楽協会への補助金削減問題に関するインターネット上の報道
や関係者の発言のすべてをフォローしているわけではありませんが、ぼ
くが読んだ範囲では、大阪市(橋下大阪市長)は、文楽を伝統芸能として
維持する責任は国にあり、大阪市という地方自治体が負うべきものでは
ない。したがって、技芸員の育成を含めて、文楽という伝統芸能を保護し
維持するための費用は、国が負担すべきである、と考えているようです。
いろいろな資料を読む限り、今から半世紀ほど前、松竹が文楽を手放す
こととなったときには、大阪府や大阪市、それに大阪に暮らす人々の間
には、文楽を保護しなければならないという熱意が、今よりはあったよう
な感じがします。
しかし、観客数が大阪と東京でそれほど差がなくなり(もしかしたら、潜
在的な観客数は東京の方が多いのかも?)、もはや「大阪の大衆芸能」
とは言えなくなってしまった現在では、文楽を保護しようという熱意が薄
れるのも仕方がないことなのかもしれません。
そのような現状からすれば、大阪市や大阪府が、税金を財源とした補助
金を、これまでのように漫然と支出することは適切でないと考えることも、
無理からぬ話なのかな、とも思うようになってきました。
このように、すでに「大阪の大衆芸能」ではなく「日本の古典芸能」になっ
てしまった文楽という芸能が、これからも大阪を本拠地としなければなら
ない必然性はあるのだろうか。
そう思わざるをえません。
それでは、どうなれば(どうすれば)よいと思っているのか。
そろそろ、「文楽は大阪を本拠地として活動しなければならない」というこ
だわりを捨てる時期にきているのだと思います。
(⑤へ続く)
や関係者の発言のすべてをフォローしているわけではありませんが、ぼ
くが読んだ範囲では、大阪市(橋下大阪市長)は、文楽を伝統芸能として
維持する責任は国にあり、大阪市という地方自治体が負うべきものでは
ない。したがって、技芸員の育成を含めて、文楽という伝統芸能を保護し
維持するための費用は、国が負担すべきである、と考えているようです。
いろいろな資料を読む限り、今から半世紀ほど前、松竹が文楽を手放す
こととなったときには、大阪府や大阪市、それに大阪に暮らす人々の間
には、文楽を保護しなければならないという熱意が、今よりはあったよう
な感じがします。
しかし、観客数が大阪と東京でそれほど差がなくなり(もしかしたら、潜
在的な観客数は東京の方が多いのかも?)、もはや「大阪の大衆芸能」
とは言えなくなってしまった現在では、文楽を保護しようという熱意が薄
れるのも仕方がないことなのかもしれません。
そのような現状からすれば、大阪市や大阪府が、税金を財源とした補助
金を、これまでのように漫然と支出することは適切でないと考えることも、
無理からぬ話なのかな、とも思うようになってきました。
このように、すでに「大阪の大衆芸能」ではなく「日本の古典芸能」になっ
てしまった文楽という芸能が、これからも大阪を本拠地としなければなら
ない必然性はあるのだろうか。
そう思わざるをえません。
それでは、どうなれば(どうすれば)よいと思っているのか。
そろそろ、「文楽は大阪を本拠地として活動しなければならない」というこ
だわりを捨てる時期にきているのだと思います。
(⑤へ続く)
by hiro_ngth_92
| 2013-01-11 17:47
| 歌舞伎と文楽