2013年 02月 22日
相続税法の「相続人」⑥ |
つまり、立法担当者としては、個人の良識を信じて、特に規制は設けな
かったけれども、そのような考え方は甘く(「相続税の負担回避のため、
養子制度を利用することを公然とすすめる節税書がちまたにあふれ」た
とのことです)、やむを得ず、明文で規制する必要があったということのよ
うです。
このような規制措置が設けられた経緯を読むと、納税者は税法の盲点を
利用して節税を図り、税務当局はそれに対応して新たな立法措置を講じ
る、という「いたちごっこ」は、今も昔も変わらないのだなということを実感
します。
さて、最後に、今回のブログの一回目に書いたことに戻ります。
日経新聞の記事に、『「母さん、僕の次男もお願いします」。昨年には長
男に続き次男も母親の養子にした。家族全員で資産を守るためだ。』と
いう記述があるが、この部分がよくわからないと書きました。
ここまでに書いたように、「遺産に係る基礎控除額を計算する際の相続
人の数に算入する養子の数」には、一定の制限があります。
「僕」が母の実子だとすると、「遺産に係る基礎控除額を計算する際の
相続人の数に算入する養子の数」は1人に限られます。すでに長男を
母の養子にしているので、次男を母の養子にしても、「遺産に係る基礎
控除額を計算する際の相続人の数」は増えません。
「僕」が母の養子だとして、次男を母の養子にすると、すでに養子にした
「僕」の長男と合わせて、母の養子の数は3人になります。この場合、
「遺産に係る基礎控除額を計算する際の相続人の数に算入する養子の
数」は2人に限られますので、やはり、次男を母の養子にしても「遺産に
係る基礎控除額を計算する際の相続人の数」は増えません。
結局、次男を母の養子にしても、「遺産に係る基礎控除額を計算する際
の相続人の数」は増えないはずなので、遺産に係る基礎控除額を増や
すという相続税の負担軽減策のための養子縁組ではないはずです。
そうすると、相続人に適用される特例制度を利用するということなのだと
思いますが、具体的に、どのような特例制度を利用するのか。
そこまで書いて欲しかったと思いました。
(おわり)
かったけれども、そのような考え方は甘く(「相続税の負担回避のため、
養子制度を利用することを公然とすすめる節税書がちまたにあふれ」た
とのことです)、やむを得ず、明文で規制する必要があったということのよ
うです。
このような規制措置が設けられた経緯を読むと、納税者は税法の盲点を
利用して節税を図り、税務当局はそれに対応して新たな立法措置を講じ
る、という「いたちごっこ」は、今も昔も変わらないのだなということを実感
します。
さて、最後に、今回のブログの一回目に書いたことに戻ります。
日経新聞の記事に、『「母さん、僕の次男もお願いします」。昨年には長
男に続き次男も母親の養子にした。家族全員で資産を守るためだ。』と
いう記述があるが、この部分がよくわからないと書きました。
ここまでに書いたように、「遺産に係る基礎控除額を計算する際の相続
人の数に算入する養子の数」には、一定の制限があります。
「僕」が母の実子だとすると、「遺産に係る基礎控除額を計算する際の
相続人の数に算入する養子の数」は1人に限られます。すでに長男を
母の養子にしているので、次男を母の養子にしても、「遺産に係る基礎
控除額を計算する際の相続人の数」は増えません。
「僕」が母の養子だとして、次男を母の養子にすると、すでに養子にした
「僕」の長男と合わせて、母の養子の数は3人になります。この場合、
「遺産に係る基礎控除額を計算する際の相続人の数に算入する養子の
数」は2人に限られますので、やはり、次男を母の養子にしても「遺産に
係る基礎控除額を計算する際の相続人の数」は増えません。
結局、次男を母の養子にしても、「遺産に係る基礎控除額を計算する際
の相続人の数」は増えないはずなので、遺産に係る基礎控除額を増や
すという相続税の負担軽減策のための養子縁組ではないはずです。
そうすると、相続人に適用される特例制度を利用するということなのだと
思いますが、具体的に、どのような特例制度を利用するのか。
そこまで書いて欲しかったと思いました。
(おわり)
by hiro_ngth_92
| 2013-02-22 17:21
| 税務