2012年 03月 04日
会計監査に期待する「役割」と現実とのギャップ ⑥ |
この前のオリンパスのような巨額な粉飾決算ぐらいは見つけて欲しいと
いう、世間が会計監査に期待する役割と、粉飾額が巨額になればなる
ほど実際には見つけにくくなる現実とのギャップ。
このギャップは相当大きく、これを埋めることは、かなり難しいのだろうと
思っています。
昨日のブログに書いたように、通常の会計監査は会社の内部統制が有
効に機能していることを前提にして行われています。
(理論的には内部統制が有効でなくても財務諸表監査を行うことはできま
すが、監査手続きの範囲がかなり広くなり、監査を行うことは相当難しくな
ります。また粉飾決算が疑われるような問題がある場合には、監査業務
を引き受けるかどうかということになると思われます)
粉飾決算をする会社というのは、もちろん内部統制が有効に機能してい
ません。
しかし、粉飾決算を行っている会社が、自社の内部統制は有効ではない
と評価することはありえず、有効ではないのに有効であるとの虚偽の評
価をするわけですが、その虚偽の評価を会計監査人が虚偽であると判断
することができるのかどうかということに、はなはだ疑問があるからです。
財務諸表監査は内部統制が有効であることを前提にして行われるのに、
その前提となる会社の内部統制が有効であるかどうかの評価を、会計監
査人は適切に行えていないのではないのか、という矛盾が存在する限り、
世間が会計監査に期待している「役割」と現実との間には、埋めがたいギ
ャップが存在し続けるのだろうと思います。
(おわり)
いう、世間が会計監査に期待する役割と、粉飾額が巨額になればなる
ほど実際には見つけにくくなる現実とのギャップ。
このギャップは相当大きく、これを埋めることは、かなり難しいのだろうと
思っています。
昨日のブログに書いたように、通常の会計監査は会社の内部統制が有
効に機能していることを前提にして行われています。
(理論的には内部統制が有効でなくても財務諸表監査を行うことはできま
すが、監査手続きの範囲がかなり広くなり、監査を行うことは相当難しくな
ります。また粉飾決算が疑われるような問題がある場合には、監査業務
を引き受けるかどうかということになると思われます)
粉飾決算をする会社というのは、もちろん内部統制が有効に機能してい
ません。
しかし、粉飾決算を行っている会社が、自社の内部統制は有効ではない
と評価することはありえず、有効ではないのに有効であるとの虚偽の評
価をするわけですが、その虚偽の評価を会計監査人が虚偽であると判断
することができるのかどうかということに、はなはだ疑問があるからです。
財務諸表監査は内部統制が有効であることを前提にして行われるのに、
その前提となる会社の内部統制が有効であるかどうかの評価を、会計監
査人は適切に行えていないのではないのか、という矛盾が存在する限り、
世間が会計監査に期待している「役割」と現実との間には、埋めがたいギ
ャップが存在し続けるのだろうと思います。
(おわり)
by hiro_ngth_92
| 2012-03-04 21:30
| 会計