2012年 10月 11日
小規模宅地等の減額特例制度の見直し③ |
つまり、この特例の目的は、被相続人の配偶者や同居の親族、被相続
人から事業を引き継いだ親族などの相続税の負担軽減なのですから、
被相続人の所有していた居住用宅地や事業用土地のうち、別居の親族
が相続した部分については80%減額の特例が適用されなくても、何の
問題もないはずです。
今回の特例制度の見直しの背景には、「一人でも要件(筆者注:特例の
適用要件のこと)を満たす者がいればその宅地全体が減額の対象とな
る等の仕組みを利用した租税回避的な事例の存在も会計検査院から
指摘されてい」た(『平成22年版 改正税法のすべて』大蔵財務協会)こ
とがあり、同様のことが記事にも書いてありました。
被相続人の配偶者が少しでも、極端な場合、仮に1%であっても被相続
人の居住用の宅地を相続すれば、残りの部分を既に自宅を所有してい
る被相続人と別居の相続人が相続したとしても、改正前はその居住用の
宅地の全部について80%減額の特例が適用されました。条文をそのま
ま適用すればそのようになるかもしれないけれど、それでは制度の本来
の趣旨・目的から逸脱しているのではないかということが、今回の改正の
背景にあるわけです。
法令を改正しなければならないほど、制度本来の趣旨・目的から逸脱し
た多くの租税回避的な行為があったのだということなのだと思いますが、
逆にいえばそれほどひどい租税回避的行為がなければ、今回の改正は
行われなかったのかもしれません。
(おわり)
人から事業を引き継いだ親族などの相続税の負担軽減なのですから、
被相続人の所有していた居住用宅地や事業用土地のうち、別居の親族
が相続した部分については80%減額の特例が適用されなくても、何の
問題もないはずです。
今回の特例制度の見直しの背景には、「一人でも要件(筆者注:特例の
適用要件のこと)を満たす者がいればその宅地全体が減額の対象とな
る等の仕組みを利用した租税回避的な事例の存在も会計検査院から
指摘されてい」た(『平成22年版 改正税法のすべて』大蔵財務協会)こ
とがあり、同様のことが記事にも書いてありました。
被相続人の配偶者が少しでも、極端な場合、仮に1%であっても被相続
人の居住用の宅地を相続すれば、残りの部分を既に自宅を所有してい
る被相続人と別居の相続人が相続したとしても、改正前はその居住用の
宅地の全部について80%減額の特例が適用されました。条文をそのま
ま適用すればそのようになるかもしれないけれど、それでは制度の本来
の趣旨・目的から逸脱しているのではないかということが、今回の改正の
背景にあるわけです。
法令を改正しなければならないほど、制度本来の趣旨・目的から逸脱し
た多くの租税回避的な行為があったのだということなのだと思いますが、
逆にいえばそれほどひどい租税回避的行為がなければ、今回の改正は
行われなかったのかもしれません。
(おわり)
by hiro_ngth_92
| 2012-10-11 20:36
| 税務