2013年 01月 06日
ぼくの芝居放浪記 評判のよい芝居を見に行く③ |
ぼくは、それはそれでいいのだと思います。
ぼくも20年近く歌舞伎を見てきて、それなりに歌舞伎に関する知識はあ
ると思っています。それでも、いまだに、ここがよい、あそこは悪いと書か
れた劇評を読んでから実際の舞台を見ても、どこがよいのか悪いのか、
よく分からないことがあります。
劇評を書いているような評論家というのは、長年歌舞伎を見続けてきた
人たちですから、歌舞伎に関しては、初心者とは比較にならないぐらい
多くの知識を持っています。
初心者が、そういう専門家と同じレベルで歌舞伎のおもしろさがわからな
いとしても、何もおかしなことはなく、当然のことかもしれません。
歌舞伎を見はじめたばかりのころ、歌舞伎座で中村吉右衛門の大判事、
昨年亡くなった中村雀右衛門の定高で『妹背山婦女庭訓(いもせやまお
んなていきん)』の「吉野川」を見ました。細かいことはよく分からなかった
けれども、幕が引かれたあと、少しジーンときたことを覚えています。はじ
めのうちは、見終わった時に「なんとなくいい舞台だったな」という感想を
持つぐらいでいいのだと思います。
何度も何度も「評判のよい芝居」をくりかえし見にいく。
そうすることによって、ひいきの役者さんの舞台だけを見ていたときには
気が付かなかった歌舞伎のおもしろさが、少しずつ分かってくる。
劇評に書いてあることも、だんだん理解できるようになる。
歌舞伎をはじめとした古典芸能というのは、そんな奥の深いものなのだ
と思います。
(おわり)
ぼくも20年近く歌舞伎を見てきて、それなりに歌舞伎に関する知識はあ
ると思っています。それでも、いまだに、ここがよい、あそこは悪いと書か
れた劇評を読んでから実際の舞台を見ても、どこがよいのか悪いのか、
よく分からないことがあります。
劇評を書いているような評論家というのは、長年歌舞伎を見続けてきた
人たちですから、歌舞伎に関しては、初心者とは比較にならないぐらい
多くの知識を持っています。
初心者が、そういう専門家と同じレベルで歌舞伎のおもしろさがわからな
いとしても、何もおかしなことはなく、当然のことかもしれません。
歌舞伎を見はじめたばかりのころ、歌舞伎座で中村吉右衛門の大判事、
昨年亡くなった中村雀右衛門の定高で『妹背山婦女庭訓(いもせやまお
んなていきん)』の「吉野川」を見ました。細かいことはよく分からなかった
けれども、幕が引かれたあと、少しジーンときたことを覚えています。はじ
めのうちは、見終わった時に「なんとなくいい舞台だったな」という感想を
持つぐらいでいいのだと思います。
何度も何度も「評判のよい芝居」をくりかえし見にいく。
そうすることによって、ひいきの役者さんの舞台だけを見ていたときには
気が付かなかった歌舞伎のおもしろさが、少しずつ分かってくる。
劇評に書いてあることも、だんだん理解できるようになる。
歌舞伎をはじめとした古典芸能というのは、そんな奥の深いものなのだ
と思います。
(おわり)
by hiro_ngth_92
| 2013-01-06 15:56
| 歌舞伎と文楽