2013年 02月 08日
雪下ろし費用の所得控除⑤ |
その他に、東京国税局に勤務する方が書いた『所得税質疑応答集』(大
蔵財務協会)という書籍があるのですが、そのなかに所令206条1項3号
についての質疑応答が収録されています。
それによれば、所令206条1項3号で規定されている支出とは、「災害に
より被害が確実視される場合においてその拡大、発生を防止するための
支出費用をいう」ので、「単に被害が予想されたことによって予防措置を
講じたとしても、雑損控除の対象にはなりません」と回答しています。
以上のことから判断すると、課税当局においては、「家屋が倒壊するとい
う損害の発生が、相当に高い確率で予測される場合に行った雪下ろしに
係る費用だけ」を雑損控除の対象とする、と考えているのだろうと推測さ
れます。
ただ、「相当に高い確率で家屋の倒壊が予測される」というのは、どれく
らい雪が積もった場合をいうのか、おそらくそれぞれの家屋の状況に応
じて異なるはずですので、一律の基準は設けにくく、最終的には納税者
個々の状況に応じて判定するということになるのだと思われます。
最後に、雪下ろし費用等というのは、具体的にどのような費用が含まれ
るのかですが、国税庁のホームページを検索しても、「雪下ろし費用等」
の具体的な範囲についての説明はないようです。
したがって、これについては、納税者自身で判断するしかないのでしょう
が、「注解所得税法研究会」編による『注解所得税法』(大蔵財務協会)に
は、雪下ろし費用について、「屋根の雪下ろしのほか、家屋の外周の雪
の取り除き及び取り除いた雪の河川等への投棄のため直接要する支出」
と例示されていますので、参考にしていただければと思います。
(おわり)
蔵財務協会)という書籍があるのですが、そのなかに所令206条1項3号
についての質疑応答が収録されています。
それによれば、所令206条1項3号で規定されている支出とは、「災害に
より被害が確実視される場合においてその拡大、発生を防止するための
支出費用をいう」ので、「単に被害が予想されたことによって予防措置を
講じたとしても、雑損控除の対象にはなりません」と回答しています。
以上のことから判断すると、課税当局においては、「家屋が倒壊するとい
う損害の発生が、相当に高い確率で予測される場合に行った雪下ろしに
係る費用だけ」を雑損控除の対象とする、と考えているのだろうと推測さ
れます。
ただ、「相当に高い確率で家屋の倒壊が予測される」というのは、どれく
らい雪が積もった場合をいうのか、おそらくそれぞれの家屋の状況に応
じて異なるはずですので、一律の基準は設けにくく、最終的には納税者
個々の状況に応じて判定するということになるのだと思われます。
最後に、雪下ろし費用等というのは、具体的にどのような費用が含まれ
るのかですが、国税庁のホームページを検索しても、「雪下ろし費用等」
の具体的な範囲についての説明はないようです。
したがって、これについては、納税者自身で判断するしかないのでしょう
が、「注解所得税法研究会」編による『注解所得税法』(大蔵財務協会)に
は、雪下ろし費用について、「屋根の雪下ろしのほか、家屋の外周の雪
の取り除き及び取り除いた雪の河川等への投棄のため直接要する支出」
と例示されていますので、参考にしていただければと思います。
(おわり)
by hiro_ngth_92
| 2013-02-08 18:00
| 税務