2013年 11月 08日
「税務は会計領域の一部」なのか③ |
意見広告では「企業の税務諸表の監査では、税金費用の検証が必須と
なっています」とか、「高度化・国際化が進む企業の税務分野では」といっ
た表現があります。そのことから推測すると、JICPAは、主に企業に関係
のある税目=法人税に関する知識・業務のことを「税務」と考えているの
かもしれません。
ぼくも公認会計士が法人税に関しては相当の知識があることは認めます
し、専門家であると言っても間違いはないと思います。
しかし、その他の税目についてはどうなのか。
例えば相続税や贈与税。
監査法人や公認会計士に事業承継の相談をするクライアントもあるでし
ょうから、そういった業務に従事し、相当の経験のある公認会計士であれ
ば、かなりの知識を持っていると思いますから、専門家といえるかもしれ
ません。それでは、もっぱら監査証明業務に従事している公認会計士に、
相続税や贈与税の専門家といえるほどの知識があるのか。
また消費税や所得税についてはどうなのか。税理士登録をして税務業務
を行っている公認会計士以外に、「わたしは消費税や所得税の専門家で
す」と自信を持っていえる公認会計士がどれくらいいるのか。
JICPAがどのような主張をすることも自由だと思うので、今回のような意
見広告をすること自体に、特に異論をさしはさむつもりはありません。
ただし、これらの意見広告はJICPAが出したものですから、そこに書かれ
ていることは、JICPAに所属している公認会計士の考えを示しているもの
ということになると思いますが、本当に個々の公認会計士の人たちは「税
務は会計領域の一部」と考えているのでしょうか。
公認会計士というのは、頭のいい人たちばかりだと思っていたのですが、
「税務は会計領域の一部です」と本当に主張するのだとしたら、その考え
はあらためなけらばならないかもしれません。
(おわり)
by hiro_ngth_92
| 2013-11-08 20:56
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